世界中で親しまれているイベント、ハロウィン。
日本でも、かぼちゃやオバケのモチーフでお部屋を飾り付け、仮装やコスプレをして楽しむ人が増えましたよね。
ですが、ハロウィンの起源や、かぼちゃがモチーフになった理由について詳しく知っている人はあまり多くないかもしれません。
まずは、ハロウィンがいつ始まって、どう広まっていったのかおさらいしましょう。
その歴史を知ると、ハロウィン当日をもっと楽しく迎えられるはず。
お部屋の飾り付けに役立つ、かぼちゃを使ったインテリアアイデアもご紹介しますよ。
ハロウィンの起源と歴史
1.はじまりは2000年以上も前だった!
ハロウィンは、紀元前の古代ケルト人が行っていた悪霊を追い払うための宗教的なお祭りが起源とされています。
古代ケルトでは、11月1日が新年。
ニューイヤーズ・イブの10月31日には、秋の収穫物を集めたお祭りを行っていました。
この時に、先祖の魂が現世に戻ってくると信じられていたんです。
彼らにとって10月31日は「大みそか」でもあり、「秋祭り」でもあり、「お盆」でもあるような、特別な日だったんですね。
先祖の魂が戻ってくる時に、悪霊も一緒にやってくるとされていたため、彼らは仮装をして 悪霊の仲間だと思わせ、身を守りました。
こうしたハロウィンの風習は、19世紀にアメリカに伝わり、日本を含め世界各地に広まっていきました。
広まっていく中で、宗教的な意味合いは徐々に薄まり、仮装やパーティーなどを楽しむイベントへと変化していったのです。
2.日本で定着したのはいつ?海外との違いは
日本にハロウィンが定着する最初のきっかけを作ったのは、「キディランド原宿店」だといわれています。
1970年代から店頭でのハロウィングッズの販売に力を入れるようになり、1983年には販売促進のためにハロウィンパレードを行いました。
その後、テーマパークや菓子メーカーもハロウィンに注目するようになり、急速にハロウィンが秋の風物詩として国内で広まっていったのです。
ただ、子どもが近所の家をまわってお菓子をねだる「トリック・オア・トリート(Trick or Treat)」の風習は、海外ほどは根付いていません。
日本では、仮装やコスプレをしたり、お部屋を飾り付けてパーティーしたり、という楽しみ方が一般的ですよね。
次の章では、お家で過ごすハロウィンに欠かせない、かぼちゃのモチーフについてお話します。
ハロウィンにかぼちゃを飾るようになった理由
1.ハロウィンの象徴「ジャック・オ・ランタン」
ハロウィンと聞いてまず思い浮かべるものといえば、かぼちゃをくり抜いて作った「ジャック・オ・ランタン」。
ハロウィンが近づくと、街のあちこちで不気味な笑みを浮かべたモチーフを見かけますよね。
ジャック・オ・ランタンは元々、魔除けのためのアイテム。
古代ケルト人はジャック・オ・ランタンを飾っておくことで、悪霊が家に寄り付かなくなると考えていたそうです。
また、先祖たちの霊が、迷わず家に戻るための案内役でもあったとされています。
2.「ジャック・オ・ランタン」って誰のこと?
「ジャック・オ・ランタン」を日本語にすると、「ジャックの灯り」。
この「ジャック」とは、古代ケルト、今のアイルランドの古い民話に登場する人物を指しているとされています。
民話の中で、悪魔を騙して生きながらえたジャック。
寿命が尽きた時も、魂を取りに来た悪霊を騙して追い返しました。
そのせいで、天国へも地獄へも行けなくなり、カブで作ったランタンを持ってさまよい続けることになりました。
この民話に登場するランタンに由来して、「ジャック・オ・ランタン」といわれるようになったとされています。
「カブのランタン?かぼちゃじゃないの?」と思った方もいるかもしれません。
その理由は、次でお話しますね。
3.昔はかぼちゃじゃなくてカブだった!
古代ケルト人が元々使っていたのは、かぼちゃではなく、カブで作ったジャック・オ・ランタンでした。
ケルト人がアメリカに渡り、ハロウィンがアメリカで広まった時に、カブからかぼちゃに変わったといわれています。
当時のアメリカではあまりカブを食べる習慣がなく、生産量が少なかったそう。
対してかぼちゃは生産量も多く、ハロウィンの季節が収穫時期にあたることから、かぼちゃのジャック・オ・ランタンが一般的になっていったようです。
4.「魔除け」から「インテリアアイテム」へ
本来は「魔除け」の意味を持つジャック・オ・ランタンでしたが、ハロウィンが世界各地に広まっていく中で、魔除けとしての役割は徐々に薄れていきました。
代わりに、ハロウィン気分を盛り上げる装飾品へと、その役割を変化させていったのです。
100円均一で買えるような紙やフェルト、プラスチックなどで作られたモチーフが、手軽で人気ですよね。
一方、安っぽくなくて野菜らしさを感じられる方がいいけど、かぼちゃのジャック・オ・ランタンは大きすぎる、、という理由でソラナム・パンプキンを選ぶ人もいるそう。
ソラナム・パンプキンとは、手のひらサイズのかぼちゃのような実をつけるナス科の植物のこと。
つややかなオレンジは、悪霊もさっと追い返してくれそうですよね。
次の章では、こうした小さなサイズのおばけかぼちゃやドライフラワーを組み合わせた飾り付けアイデアをご紹介します。
ハロウィンが終わった後も、おしゃれなインテリアとして楽しめるものもありますよ。
ハロウィンを楽しむインテリアアイデア
手作りのドライフラワーやドライボタニカルをお届けしている土と風の植物園では、季節の植物を取り入れたり、ハロウィンらしい色合いを意識したアイテムを揃えています。
あなたのお気に入りが見つかりますように。
1.小さなおばけかぼちゃを飾ろう
ミニカボチャと一緒に、秋の実や果実をごろごろと並べてみると、ポップで可愛らしい空間に。
赤みを帯びたミニカボチャ、粒の色が美しいコーン、ふわふわの綿毛が気持ちいいコットンフラワー。 どれも自然の芸術品。
器に入れて飾ったり、小物や花瓶の足元に添えたり。
どこに飾ろうかなって考える時間も楽しんでくださいね。
2.秋色のドライボタニカルを組み合わせて
ハロウィンが終わってもそのままインテリアにできるものが欲しい方は、ドライフラワーや秋の実ものをシンプルに飾って、色で遊んでみましょう。
オレンジゴールドやパープルを合わせたハロウィンらしいカラーリングがおすすめ。
個性的な見た目のドライボタニカルも取り入れたら、不思議でちょっぴり怪しげな空間が完成です。
クリーム色でふわふわのパンパスグラスは、通称”オバケススキ”。
ハロウィンにぴったりの名前ですよね。
3.お部屋が華やぐハロウィンカラーのリースを
手軽にハロウィンの雰囲気を演出したいなら、リースがぴったり。
おばけかぼちゃ、鮮やかなほおずきなど、ハロウィンカラーが主役のものを選びましょう。
オレンジによく馴染む暖色系のドライフラワーや、秋の実をたっぷりとあしらったものなら、壁に飾るだけで部屋がぱっと華やかになりますよ。
平らな場所に置いて、周りにおばけかぼちゃをディスプレイするのもおすすめです。
おわりに
お気に入りは見つかりましたか?
小さなサイズのおばけかぼちゃや、ドライフラワーを使った飾り付けなら、お部屋にも取り入れやすいですよね。
古代ケルトの人々にとって本当に特別な日だった、10月31日のハロウィン。
当時の慣習は、一見とっつきにくい宗教行事のようにも思えますが、先祖を悼む心や、一年の実りに感謝して新たな年を迎えたいという気持ちは、今を生きる私たちと変わらない気がします。
本来のハロウィンの意味を知ることで、ただのイベントとしてではなく、古代ケルトの人々に親しみの心を持ちながら過ごせるのではないでしょうか。
皆さんが素敵なインテリアに囲まれて、楽しいハロウィンを迎えられますように。