「グラデーション」かな、と。
いろいろなこと、二分されているものではなく、得意なことや不得意なことが、それぞれあって、それを互いに補い合いながら愉しく過ごしていけたら、と日々思っています。
昨年4月からはじめさせていただいた、ドライフラワー定期便。
現在ではとても多くの方にご利用いただけるサービスとなりました。
ご利用いただいている皆さま、誠にありがとうございます。
ただ、本当にありがたいことなのですが、多くの方にお申込みいただくようになり、スタッフの力のみでは作成が難しくなってきたのが現状でした。
新規の方のお申込みをお断りするのが良いのか、外部に制作を委託するのが良いのか、他の花屋さんに力を貸していただくのが良いのか、いろいろな可能性を検討しました。
そしてこの度出した、答え。
岡山にある、障がい者就労継続支援事業所のピースグループさまで働く方と一緒に、[季節のドライフラワー定期便]の商品をお作りしていくことにしました。
障がい者就労継続支援事業所では、身体・知的・発達・精神の障がいがある方や、難病の方が働いていらっしゃいます。
彼らの中には細かく繊細な作業を得意とする方や、目の前のことに対し、黙々と集中して取り組むことに秀でた方も。
ピースグループさまの中でも、そういった、[季節のドライフラワー定期便]の制作に向いている数名の方に、お仕事を委託しているというよりは、土と風の植物園の新たなスタッフになっていただいた感覚で、取り組んでいただいています。
週に一度以上事務所へお伺いをしていますが、事業所へ到着すると、まず「おはようございまーす!」という明るい挨拶から始まります。
その後、「この長さでOKか」とか「ここはカットするべきか」とか「このサイズの場合、2本をセットにするべきか、3本にするべきか」など、お花は個体差があり、単純に数量での判断が出来ないため、そういったひとつひとつ、個別の質問に答えていきます。
時には手書きの説明書をご用意させていただいただき、お伝えすることも。
「それはこの切り分け方で合ってます!」とお伝えしたり、逆に「いやいや、こうした方がキレイじゃないです?」と提案されたり、「今回すごく綺麗に仕上げてくださってますね。ありがとうございます!」という感謝とか、そんなやり取りの中で、互いに笑顔になるときがあります。
わたしが日々感じている働く愉しさを、一緒に感じていただける方が増えて、それがすごくうれしい。
制作についてのやりとりの他、タグ付けしてくださった皆さまのインスタグラムの投稿をご覧いただきながら、「こんな風に飾ってくれていて喜んでくださっているんですよー!」と共有もさせていただいています。
様々なご意見があるかとは思いますが、わたしたちが取り組んでいるこのサービスで、お客さまはもちろんのこと、働くひとの笑顔も、もっともっと広がって、大きく丸い円を描くような関係性を築いていけたら、と思っています。
引き続き、土と風の植物園をどうぞよろしくお願いいたします。
土と風の植物園 店主 山崎 由佳
文:山崎 由佳
ドライフラワー・スワッグ専門店、土と風の植物園の店主。花の仕入れから管理・企画・発送・SNSへの発信など、その業務はさまざま。日光浴が好き。だけど休日の大半はソファの上で過ごすインドア派です。ドライフラワー・スワッグ専門店|土と風の植物園
倉敷市の中心部から少し離れた緑豊かな小さなアトリエで制作。厳選したドライフラワーや道具、動画を見ながら作れるスワッグ手作りキットなど、各種取り揃えています。