黄色く小さな可愛い花を咲かせ、春を告げる花として知られる「ミモザ」は、ドライフラワーとしても人気の高い花。
ドライフラワーにすれば、この可愛い花を長期間楽しむことができます。
ミモザはドライフラワー作りに失敗しにくいとされており、初心者にもおすすめです。
この記事では、ミモザの基礎知識からドライフラワーの作り方、おすすめのアレンジまで詳しく解説します。
そもそもミモザってどんな植物?
ミモザの基本情報は以下のとおりです。
学名 | Acacia baileyana(ギンヨウアカシア) Acacia dealbata(フサアカシア) |
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科名 | マメ科 |
分類 | 常緑高木 |
花期 | 3~4月 |
原産地 | オーストラリア |
花言葉 | 「感謝」「優雅」「友情」 |
さらに詳しくミモザのことを知っていきましょう。
実は「ミモザ」は「アカシア」だった!?
私たちが「ミモザ」と呼んでいるあの黄色い花は、実は「ミモザ」ではないことをご存知でしょうか。
基本情報にもあるとおり、ミモザは実は「アカシア」の仲間です。
では、なぜ「ミモザ」と呼ばれるようになったのでしょうか。
それは昔、ヨーロッパに初めてアカシアが持ち込まれた時のエピソードに由来します。
当時ヨーロッパでは、「オジギソウ」をその学名(Mimosa pudica)から「ミモザ」と呼んでいました。
アカシアを初めて目にしたヨーロッパ人は、葉の形が「ミモザ」と呼ぶ植物(オジギソウ)によく似ていることに着目します。
このことから、ミモザに似たアカシアの花を「ミモザアカシア」と呼び始めたのです。
やがて「ミモザアカシア」を「ミモザ」と呼ぶようになり、現在では「ミモザ」が「アカシア」を指す言葉として定着しました。
3月8日は「ミモザの日」
3月8日は国連が制定した「国際女性デー」で、女性の政治的自由と平等を訴える日です。
1904年3月8日にアメリカのニューヨークで、女性労働者たちが婦人参政権を求めてデモをしたことをきっかけに、「女性の政治的自由と平等のためにたたかう」記念日となりました。
イタリアでは男性が女性にミモザを贈って感謝を伝え、女性は家事や育児から解放されて自由に過ごすそうです。
日本でも3月8日には花屋さんに多くのミモザが並び、ミモザの日が定着しつつあることを感じますね。
ドライフラワーに適した代表的なミモザの品種
日本のどの花屋さんでも買える、ドライフラワー作りに適したミモザの代表的な品種を3つ紹介します。
パールアカシア
パールアカシアは真珠葉(しんじゅば)アカシアとも呼ばれます。
黄色い花のそばに小さな丸い葉が連なる様子が可愛らしく、鑑賞にぴったりの品種です。
葉の表面は起毛していて、やわらかな質感です。
シルバーがかったビロードのような葉は、雨に濡れるとパールのようなきらめきを放ちます。
ドライフラワーにした後も花や葉が落ちにくい特徴があり、リースやスワッグなどのアレンジメント用に使われることが多いです。
ギンヨウアカシア
日本で一般的にミモザと呼ばれるのは、このギンヨウアカシアです。
「ミモザアカシア」と称して日本で流通しているものの大半がギンヨウアカシアで、一番人気の品種です。
漢字では「銀葉アカシア」と書きます。
葉は、本当のミモザであるオジギソウによく似ていて、細い形。
銀灰色に輝くグリーンと黄色い花の対比が美しい品種です。
フサアカシア
フサアカシアは、ギンヨウアカシアによく似た見た目です。
ギンヨウアカシアとの違いは、フサアカシアの方が開花時期が早く、葉が長く、葉の緑色が濃い点です。
ヨーロッパではフサアカシアが主流なため、一般的にはこちらを「ミモザ」と呼びます。
対して日本は、フサアカシアもギンヨウアカシアもひとくくりに「ミモザ」と扱うことが多いようです。
ドライフラワーに適したミモザの選び方
ミモザをドライフラワーにしたい場合は、花選びも大切です。
どのような状態のミモザを選べば良いのでしょうか。
花が咲きほころんでいる枝を選ぼう
ドライフラワーにするミモザは個人の好みにもよりますが、枝についている花の咲き具合に注目しましょう。
切り枝になった時点で固くつぼんでいるような花は、それ以上開花することはほぼありません。
ミモザのふっくらとした可愛い花を活かしたい場合は、少しでも多く花が咲いている枝を選ぶのがおすすめです。
ミモザのドライフラワーの作り方
ミモザは乾燥しやすい性質があるため、ドライフラワー初心者でも失敗しにくいといわれています。
ここでは、ミモザをドライフラワーにする代表的な3つの手法と、手順についてお話します。
ハンギング法
ハンギング法は、花束を逆さに吊るしてドライする方法で、難しい手順がないため初心者も安心です。
ハンギング法なら干している間もインテリアとして楽しめるのが嬉しいポイント。
ドライフラワーにした後、スワッグやリースにアレンジしたい場合におすすめの手法です。
ハンギング法に必要な道具
ハンギング法では下記の道具を使用します。
- ミモザ
- 麻の紐
- 花切バサミ
特別な道具が必要ない点も初心者に向いている理由です。
ハンギング法の手順
1. ミモザを麻の紐で束ねる。 あまり多くを束ねすぎると蒸れて乾燥速度に差が出るため、5本ずつ程度に分ける。
2. 風通しが良く、直射日光が当たらない場所に吊るす。
3. しっかりと乾燥するまで1週間前後そのまま放置する。 茎を曲げてポキッと折れる程度まで乾燥すれば、ミモザのドライフラワーの完成。
ミモザを束ねる麻の紐は輪ゴムでも代用できますが、麻の紐の方が枝や茎を傷めにくいためおすすめです。
ドライフラワーでリースを作りたい場合は、先にミモザをリース状にしましょう。
ハンギング法のコツ・注意点
ミモザをハンギング法でドライフラワーにする際に意識したいポイントを2つ紹介します。
1つ目は、ミモザの吊るし方です。
ミモザの花が壁に直接当たってしまうと、その部分が変色したり、壁紙にシミがついたりすることがあります。
壁近くに吊るす際はコート掛けやハンガーラックを利用し、壁に接触しないよう注意しましょう。
2つ目は、ミモザの束ね方です。
乾燥が進むと水分が減って茎が細くなっていくため、最初にしっかり固定して束ねたつもりでも、次第に緩んでしまうことも考えられます。
途中で落下してミモザが壊れないように最初の固定はより念入りに行い、乾燥具合を確認する際に緩みがないかチェックしましょう。
ドライインウォーター法
ドライインウォーター法とは、花を少量の水に挿し、徐々に蒸発させながらドライする方法です。
ハンギング法と違って逆さまにしないため、花瓶に活けているように枝がたわんだ、自然なシルエットのまま乾燥させられるメリットがあります。
生花を飾ってその変化を楽しむことができるのは、ドライインウォーター法の嬉しいポイント。
ドライフラワーにしても自然な風合いを残したい場合におすすめの手法です。
ドライインウォーター法に必要な道具
ドライインウォーター法で必要な道具は以下のとおりです。
- ミモザ
- 花瓶
- 水
ハンギング法と同じく、特別な道具を必要としないため初心者も挑戦しやすいでしょう。
ドライインウォーター法の手順
1. 花瓶に1~5cmほどの少量の水を入れ、ミモザを挿す。
2. 風通しが良い場所に置き、少しずつ水を蒸発させる。 花瓶の水が無くなっても、足したり交換したりは不要。
3. 1〜2週間程度そのまま放置すると、ドライフラワーが完成。
ミモザの花は水分が少ないため、この方法を使うと生花に近い色合いを保ちやすいです。
シリカゲル法
シリカゲル法は、乾燥剤の「シリカゲル」を使用して花をドライする方法。
短期間で完成する点、形や色をそのまま残せる点がシリカゲル法の大きなメリットです。
一方、シリカゲルの購入が必要な点や、シリカゲルを敷き詰める容器に入るサイズまで花を小さく切る必要がある点はデメリットといえます。
ドライフラワーをアクセサリーやハーバリウムにアレンジしたい人は、シリカゲル法がおすすめです。
シリカゲル法に必要な道具
シリカゲル法では以下の道具が必要です。
- ミモザ
- ドライフラワー用シリカゲル
- タッパー
- スプーン
- ピンセット
- 花切バサミ
シリカゲルは、ドライフラワー用のものを用意することをおすすめします。
シリカゲル法の手順
1. タッパーなどの密閉容器にシリカゲルを敷く。 ムラなく乾燥させるため、底から3cm程度が目安。
2. 花同士が重ならないよう注意しながらシリカゲルの上にミモザを置く。 スプーンを使い、ミモザの上にまんべんなくシリカゲルをかける。
3. しっかり乾燥させるため、蓋をしてから2〜3日は開けない。
4. 1週間程度で完全に乾燥する。 乾燥しきっていることを確認し、ピンセットで優しくミモザを取り出す。
食品などに使用されるシリカゲルでも乾燥させられますが、粒子が大きいため花にボコボコと跡が付いてしまう場合があります。
ドライフラワー用のシリカゲルは粒子がサラサラと細かいため、ミモザのようなふわふわした花を綺麗にドライする場合も安心です。
ミモザのドライフラワーを使ったアレンジ
ミモザのドライフラワーを使ったアレンジメントというと、どんなものを思い浮かべますか?
土と風の植物園でご用意しているアレンジメントをいくつかご紹介します。
リース
鮮やかな黄色の花が可愛いミモザリースは、ミモザを使ったアレンジの中でも特に人気の高いアイテムです。
見ているだけで心に陽だまりが生まれたかのような、あたたかな気持ちになれるはず。
こちらのミモザをたっぷり使ったリースは、完成品と手作りキットをご用意しています。
手作りキットを選んだ方は、作り方レシピを参考に作ってみてくださいね。
ご自身でさらにアレンジを加えたい場合は、隙間に他の植物を差し込んでみるのも良いでしょう。
ブーケ
ミモザは乾燥させてもボリュームがあるため、他の植物とまとめて束ねればモコモコとした可愛らしいブーケが作れます。
春に出回る草花と組み合わせれば、春らしさ満点。
ホワイトやグリーンの植物は黄色いミモザと相性抜群です。
シンプルにミモザだけを束ねると、眩しいほどの幸福感をたたえたブーケに。
両手いっぱいのスペシャルなブーケは、ラッピングを施した状態でお届けします。
大切な方への贈りものにいかがでしょうか。
スワッグ
スワッグとは、ドイツ語で「壁飾り」を意味する言葉。
春らしい黄色いミモザを使ったスワッグは、壁を華やかに彩るでしょう。
可愛いリボンや季節感のある飾りを使って束ねると、さまざまなアレンジが楽しめます。
こちらのスワッグは、シルバーグリーンのユーカリとの組み合わせで落ち着いた雰囲気が魅力。
あたたかな色合いのミモザを眺めながら、“春待つ心”を味わってみてはいかがでしょうか。
ボトルフラワー
ボトルフラワーは、ミモザのドライフラワーを空き瓶などの透明な容器に入れるだけのお手軽アレンジ。
ガラス標本のような見た目がオシャレで、インテリアとしてどこにでも飾りやすいのもポイントです。
また、ドライフラワーの悩みの種でもあるホコリが付きにくいのも大きなメリット。
可愛い容器に入れて、お友達へのプレゼントにするのもおすすめです。
キャンドル
火を灯さなくても、心がぽっと明るくなる。
幸福感をたたえたミモザの花と葉っぱを軽く粉砕して、蝋に混ぜ込みました。
花のつぶつぶ感だったり、葉の形をあえて残して、思わず触れたくなるような見た目に。
大きいサイズとミニサイズをご用意しているので、一緒に並べて飾ってもきっと可愛いですよ。
お気に入りは見つかりましたか?
以下の記事では、実際にミモザのアレンジメントを購入した方が、どんな風にお部屋に飾っているか紹介しています。
お部屋に飾るときに、参考にしてみてくださいね。
おわりに
ミモザの基礎知識からドライフラワーの作り方、おすすめのアレンジまで、ミモザの魅力をたっぷり解説しました。
黄色で可愛いミモザのお花は、自宅のインテリアや大切な人への贈り物にぴったり。
この記事でも紹介しているように、ミモザのドライフラワーはさまざまなアレンジを手軽に楽しめます。
土と風の植物園では、ミモザのアレンジメントや手作りキットもご用意していますので、ぜひお店も覗いてみてくださいね。