カフェや美容室などによく飾られているドライフラワー。
アンティークな雰囲気に惹かれて、自宅でインテリアとして取り入れている方も多いと思います。
水替えなどのお手入れが不要で、生花よりも長く楽しめるのも魅力ですよね。
もらった生花の花束をドライフラワーにして、より長く楽しみたいという方もいるのではないでしょうか。
でも、どんなお花でも美しいドライフラワーに加工できるわけではありません。
生花をドライフラワーにしても、花びらや葉がぼろぼろになったり、黒ずんだような色になってしまうと悲しいですよね。
今回はドライフラワーにしやすいお花や植物の中から、あ〜さ行の名前がつくものをご紹介。
ドライフラワーに適しているお花の特徴についても説明します。
ドライフラワーに向いている花の特徴
1.花の水分量が少ない
ドライフラワーを作るときは、型崩れや変色を最小限にするため、なるべく短時間で乾燥させる必要があります。
水分量が少ない花は比較的短時間で乾くので、形や色が悪くなりにくいです。
花の水分量が多いと乾燥までに時間がかかるので、花びらが縮んだりシワが多くなりやすいです。
また、変色のリスクも上がります。
2.花びらに厚みがある
薄い花びらは乾燥させると脆くなり、ちょっとした刺激でポロポロと崩れやすくなります。
花びらが肉厚のものなら、乾燥させた時にくしゃくしゃになってしまうリスクが低いです。
乾燥させた後も、花びらが肉厚のものの方が形が崩れにくいので、長持ちしやすいですよ。
3.変色しにくい
お花も種類によって、乾燥による色の変化が大きいものと小さいものがあります。
その変化が素敵な場合もありますが、生花の時の色合いに近づけたい場合は、変色しにくい花を選ぶのがおすすめです。
花びらの元の色が濃いものは、乾燥させても鮮やかな色合いが残りやすい傾向にあります。
花の水分量が少なく、花びらがしっかりしていて、変色しにくい。
この3つの条件を兼ね備えたお花をなるべく短時間で乾燥させることで、綺麗なドライフラワーに仕上がりやすいです。
ドライフラワーにしやすい「あ行」のお花
アーティチョーク
インパクトのある見た目が印象的。
アザミに似た花を持ち、チョウセンアザミとも呼ばれます。
ドライフラワーとして出回るアーティチョークは、花が開花する前のつぼみの状態のもの。
「そばにおいて」「厳格」「警告」「傷つ心」「傷つく恋」などの花言葉を持ちます。
アスチルベ
東、中央アジアや北アメリカが原産地のアスチルベ。
堅くて細い茎に対して、ふわりとした小さい花穂が可愛らしい円錐形のお花です。
日本の山でも自生しているほか、ヨーロッパでも多くの品種が育てられています。
花言葉は「恋の訪れ」「気まま」「自由」などの花言葉を持ちます。
アマランサス
ケイトウの仲間、アマランサス。
原産地は熱帯アメリカや熱帯アフリカで、日本名では「ヒモゲイトウ」と呼ばれます。
秋に見かける事が多く、ぽこぽことたくさんの花穂が集まったお花です。
ドライでも綺麗に色の残るお花ですが、繊細なため、優しく扱ってあげると長持ちします。
花言葉は「心配ご無用」「粘り強い精神」など。
エリンジューム
ヨーロッパや小アジアが原産地で、「ルリマツカサ」「マツカサアザミ」などの日本名で知られています。
ドライにしても鮮やかなブルー、ギザギザの葉、そして花と葉の間にはトゲがあるため、ワイルドな印象のお花です。
花言葉は、「愛を求める」「秘めたる愛」「秘密の愛情」「無言の愛」など。
スワッグの花材として使うなら、相性の良い反対色のドライフラワーと組み合わせるのがおすすめです。
ドライフラワーにしやすい「か行」のお花
カンガルーポー
オーストラリアが原産のカンガルーポーはその名からも想像がつく通り、カンガルーの前足に似ている事からその名がつきました。
花と茎は、産毛のような短い毛に覆われています。
ドライにしても鮮やかな黄色が残ります。
花言葉は「不思議」「驚き」「分別」「陽気」「明朗」「可能性」「かわいい愛」「好意」など。
クラスペディア
コロンとした丸と色鮮やかな黄色がユニークなお花、クラスペディア。
ドラムスティック、イエローボールとも呼ばれます。
スワッグに使う際は、独特なシルエットとアクセントとして使いやすい色味を生かして上の方に配置して作るのがおすすめです。
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グレビレア アイバンホー
イスラエルが原産地のグレビレア アイバンホー。
細長いギザギザの葉が特徴的なワイルドフラワーです。
季節によっては紅葉して葉の一部が赤くなったものもあり、色の違いも楽しめます。
色々なグリーンを束ねたスワッグは、おしゃれな縦長。
アンティークなグレビレア アイバンホーの色合いが、スワッグを大人っぽくまとめてくれます。
グレビレアゴールド
片面がグリーン、もう片面がオレンジ色の、面裏で色が違う珍しい葉っぱを持っています。
葉物の中でも個性を放つグレビレアゴールドは、一本で飾っても十分な存在感です。
グリーンたっぷりのクリスマスリースの差し色にも。
落ち着いた雰囲気にまとめてくれるので、温かみも感じられます。
コットンフィリカ
南アフリカが原産のコットンフラワーは、小さい綿のような苞がたくさん密集している見た目の事から、名前に「コットン」という言葉が入っています。
起毛のような変わった質感の苞と、小さなトゲトゲの葉が珍しいお花です。
花言葉は「明るさ」。
コットンフラワー
真っ直ぐな枝に、ふわふわの実が可愛いコットンフラワー。
生地のコットンの原材料としても広く知られていますよね。
もこもことして暖かそうな見た目なので、冬に飾られる事が多いですが、実は夏に開花する事はあまり知られていないのではないでしょうか。
花言葉は「優秀」「私を包んで」「偉大さ」「崇高」「繊細」など。
コットンフラワーをいくつか組み合わせると、雪玉のようなオーナメントに。
これなら、自分でも作れそうですよね。
ドライフラワーにしやすい「さ行」のお花
サンキライ
細長い茎に、小さな赤い実の集まりが等間隔で並ぶユニークなサンキライ(山帰来)。
サルトリイバラとも呼ばれます。
クリスマスやお正月など、行事に飾られるスワッグやリースに使われる事の多い人気の花材です。
花言葉は「不屈の精神」など。
小ぶりなクリスマススワッグに、サンキライの赤がよく映えます。
クリスマス気分を盛り上げてくれると共に、インテリアとしても活躍します。
シースター
オーストラリアが原産のシダ系葉物のシースター。
ヒトデに似た見た目でこの名が付けられたそう。
日持ちの良さが特徴で、フレッシュでもドライでも見た目が大きく変わらない花材です。
シルバーブルニア
原産国は南アフリカ。
枝分かれした先に付いた、複数のシルバーホワイトの丸い実が特徴です。
密集した短い葉もユニークなワイルドフラワーです。
とても花持ちが良いため、ドライフラワーにぴったりです。
花言葉は「情熱」「小さな勇気」など。
色々なグリーンを束ねたスワッグの、アクセントにも。
スイートピー
イタリア・シチリア島が原産のスイートピー。
甘い香りの漂うお花で、ひらひらと蝶や妖精が踊っているかのような繊細で可愛らしい花びらが特徴です。
ピンクや白、黄に紫など淡い色から鮮やかな色までたくさんあります。
花言葉は「ほのかな喜び」「優しい思い出」「門出」「別離」など。
スターチス
ピンク、イエロー、ホワイトのスターチスや宿根スターチスなど、豊富な種類と色味があるのが特徴。
水分量が少なく、乾燥させた後も、鮮やかな色合いが残りやすいお花です。
花言葉は「変わらぬ心」「途絶えぬ記憶」など。ドライフラワーにしても色が変わらないとことが由来しているんだとか。
ボリュームがあるため、花束に入れると華やかに仕上がります。
シナモンスティックがキャッチーなスワッグは、シンプルでありながらお部屋のアクセントに。
ホワイトのスターチスは清楚な雰囲気も持ちながら、凛とした意志の強さも感じさせます。
こちらは、ラベンダーカラーの宿根スターチス2種を使ったハーフリース。
同じスターチスでも、随分雰囲気が違いますよね。
丸い形をしたリースは、「永遠」の願いが込められています。お子さまのお誕生日祝いのディスプレイや贈りものにもぴったりです。
おわりに
今回は、水分量が少ない、花びらがしっかりしている、色の変化が少ないといった理由からドライフラワーに加工するのに適しているお花や植物を紹介しました。
実は、紹介したお花や植物のいくつかは、「ワイルドフラワー」に分類されます。
「ワイルドフラワー」とは、オーストラリアや南アフリカなどの南半球に自生する植物の総称のこと。
乾燥地帯や砂漠などの厳しい環境に適応するため、ユニークで独特なフォルムやカラー、質感へと姿を変えました。
ワイルドフラワーは水分量が少なく、丈夫で形が崩れにくいものが多く、ドライフラワーにしても見た目があまり変わらない傾向にあります。
退色などの経年変化も少ないものが多いため、ドライフラワーにした後の色の変化を気にしたくないという方に特におすすめです。
紹介したものの中で、どれがワイルドフラワーなのか、下のページで見つけてもらえるとうれしいです。
今回の記事の内容を参考にして、ご自身でもドライフラワー作りを楽しんでみてくださいね。
次回は、続きの「た〜は行」のお花の名前を一つずつご紹介していきます。