ゴッホはなぜ[ひまわり]を描いたのか

ゴッホはなぜ[ひまわり]を描いたのか

夏になると、太陽のような花を咲かせる向日葵。
日本の夏の風物詩ともいえますよね。

こんにちは。
ドライフラワー・スワッグ専門店、土と風の植物園 です。

向日葵は私の大好きな花のひとつ。

日本の原風景を鮮やかに彩る定番の花ですが、フィンセント・ファン・ゴッホが描いた絵の方を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

ゴッホといえば、大胆な筆遣いと、強烈な色彩。
[ひまわり]のほかにも、[星月夜]や[糸杉]、[自画像]などさまざまな作品を残しましたが、生前に売れた絵はたったの1枚だったといわれています。
死後に評価が高まり、ゴーギャンやセザンヌなどとともにポスト印象派を代表する画家となりました。

近年、ゴッホやモネらの名画をもとにした、向日葵の品種が登場しているのをご存知でしょうか?

本日は、アートな気分に浸れる向日葵のお話です。

“ゴッホのひまわり“とは?

土と風の植物園のアトリエにやってきた、“ゴッホのひまわり”。
ゴッホが描いた[ひまわり]を彷彿とさせることからその名が付きました。

花が開ききっていないものは、水揚げをして開花を待ちます。

濃いめの、鮮やかな黄色の花びら。
ちょうど手を広げたくらいの大きさで、可愛らしい雰囲気です。

向日葵の花言葉は、「あなただけを見つめる」「憧れ」。

ゴッホにとって向日葵は、南仏の太陽そのものだったといわれています。
太陽に恋焦がれるゴッホの姿が脳裏に浮かんできそうな花言葉ですね。



ドライフラワーへと姿を変えて

花びらが開いたタイミングで”ゴッホのひまわり”を乾燥させ、ドライフラワーにします。
少し茎が弱いので、茎が折れないように気をつけながら吊るして干したり、平置きにして干したり。

ドライになると、色がぐっと濃厚になりました。
歪んだ線や先端がつん、と尖った花びらには、ゴッホ自身の内面のゆらぎが現れているかのよう。
個人的にはドライにした時の方が、ゴッホの筆のタッチや色づかいに、より近いのではないかと感じます。

”ゴッホのひまわり”のドライフラワーはこちら

”ゴッホのひまわり”のように、名画をモチーフにした品種は、ほかにも。
こちらは、”モネ”という品種の向日葵をドライフラワーにしたものです。

"モネ”は、”ゴッホのひまわり”よりも薄いレモンイエローの花びらと、グリーンの中心部分が、とても爽やかな印象を与える品種。
ドライフラワーにすると、花びら部分は明るいイエローが残り、中心の部分はシックなゴールドに変わります。

カラフルながらもやさしい色味のドライフラワーたちと合わせると、色とりどりの植物やひまわりが咲き乱れるモネの名画、[ヴェトゥイユの画家の庭]を再現しているかのようです。



ゴッホはなぜ[ひまわり]を描いたのか

「アルルに画家仲間を集めて、芸術家のユートピアをつくりたい」。
1888年に南フランスのアルルに移り住んだゴッホは、こんな夢を抱いていたそうです。

[ひまわり]は全部で11点あり、 その多くがアルルで暮らしていた時に描かれたもの。
ゴーギャンとの共同生活を送る家に、12枚のひまわりの絵を飾ろうとしていたといわれています。

和やかに続くかと思われたゴーギャンとの共同生活ですが、口論の末にゴッホが自身の耳を切り落とすという衝撃的な形で、わずか2か月ほどで幕を下ろしました。
アルルにいた頃は盛んに描いていた向日葵の絵も、精神病院で療養を始めてからは描かなくなりました。

ゴッホにとって向日葵は、まばゆい南フランスの太陽、そして彼が体現しようとしているユートピアの象徴であったといわれています。
彼の夢だったユートピアの実現は叶いませんでしたが、南仏の太陽のもと向日葵を描いたアルルでの日々は、彼にとって人生最良の時間だったのだろうな、と。

燃えるような黄やオレンジの色彩は、彼にとっての「幸せ」そのものだったのではないでしょうか。

27歳で画家を志したゴッホは、37歳で悲劇的な死を迎えるまでの10年間で、2000以上の作品を残しています。

数ある作品の中で私が一番好きなのは、こちらの[星月夜]。
学生時代に模写をして、賞をいただいた記憶がうっすらとある、ちょっと思い入れのある作品。
下に載せた[寝室]や、[夜のカフェテラス]も好きなので、黄と青の対比に心惹かれるものがあったのかもしれません。

[寝室]は、アルル時代にゴッホが実際に暮らしていた部屋を描いたそう。
窓やインテリアに散りばめられた黄は、陽だまりのような、ほっとする居場所だということを示しているかのようです。
ゴッホにとって黄の色彩って、やっぱりどこか特別なものだったのかな、なんて考えてしまいます。

関東では、彼が見た世界を追体験する体感型のデジタルアート展が開催されていますね。

彼にとっての幸せの色とは、モチーフとは。
彼の悲しみが詰まった作品とは。

そんなことを考えながら作品を眺めると、自分にとっての人生最良の日々って、いつなんだろうか、とか。
自分のこれまでとこれからについて考えるきっかけにもなりそうですね。

「たくさんありすぎて選べない!」
最期に振り返った時にそう思えたらいいな、と思います。



“ゴッホのひまわり“を使ったフラワーアレンジメント

スワッグ

土と風の植物園では、絵画[ひまわり]を私たちなりに解釈し、”ゴッホのひまわり”を使ったオリジナルのスワッグを作りました。
いろいろなドライフラワーを使いながらも、シンプルに。
ゴッホの絵にならい、向日葵が主役になるように。

色数は多くなくても豪華で、名画にも負けないあでやかさです。
自分で作ってみたい方は、手作りキットもあるのでぜひお試しください。

”ゴッホのひまわり”を使ったスワッグはこちら

キャンドル

  ボタニカルキャンドル<ゴッホの向日葵>

蝋の中に、粉砕した向日葵の茎を混ぜ込んだボタニカルキャンドル。
上には、ドライのひまわりをあしらって、フラワーアレンジメントのような感覚で飾れるように仕立てました。

ゴッホが大切にしていただろうなっていう色合いや風景のイメージも、一緒に閉じ込めて。

ボタニカルキャンドル<ゴッホの向日葵>はこちら

今年の夏は、彼の名がついた向日葵を飾って、彼の生涯や作品に想いを馳せてみるのも良いかもしれません。

ドライフラワー・スワッグ専門店|土と風の植物園

倉敷市の中心部から少し離れた緑豊かな小さなアトリエで制作。厳選したドライフラワーや道具、動画を見ながら作れるスワッグ手作りキットなど、各種取り揃えています。
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