ハーブは、ラテン語で「草」を意味する「Herbe (ヘルバ)」が語源とされており、古代バビロニアやエジプトの時代から、病気で苦しむ人々を癒す“薬用”として利用されてきました。
いまでは、“健康や美容に役立つ植物”として、お料理の香りづけや風味のアクセント、アロマセラピーのエッセンシャルオイル、キッチンや寝室を彩るインテリア雑貨など、さまざまなシーンで活用されています。
けれど、日々の生活にハーブを取り入れて、うるおいのある日々を送りたくても、毎日やらなければならないことが山ほどあり、ハーブのある暮らしを楽しむ余裕のない女性も少なくありません。
そこで今回は、仕事や勉強、家事など、なにかと忙しい毎日を過ごしている女性も、気軽にハーブのある暮らしを楽しめるアイディアをご紹介します。
ガーデニング初心者さんも安心!ハーブの基本的な育て方
植物のなかでも、比較的丈夫で育てやすいハーブは、育て方を間違えてしまわないかぎり、ガーデニング初心者さんも失敗することなく、立派に生長させることができます。
ただ、これから初めてハーブを育てる場合、種から育てるのではなく、苗から育てるのがおすすめです。
ハーブを種から育ててしまうと、発芽するまでに時間がかかるだけではなく、湿度や病害虫などによって生長不良となり、失敗してしまうことがあるからです。
また、ハーブを苗から育てることで、収穫までの時間を短くすることができるメリットもあります。
手塩にかけて育てた大切なハーブを、お料理やお茶、インテリア雑貨、アロマテラピーなど、さまざまなシーンで活用したいとお考えの女性は、苗から育ててみませんか。
必要な道具
お好みのハーブ苗 ・ハーブ用培養土 ・鉢またはプランター ・鉢底ネット ・軽石または鉢低石 ・軍手 ・スコップ ・じょうろ育て方
① 鉢のなかに鉢底ネットと軽石を敷きます。
② 鉢の1/3ほどまで、ハーブ用培養土を入れます。
③ 軍手をはめ、ポットから苗を取り出し、根に付着した土を1/3ほど落とします。 ※ハーブ苗の根が長すぎる場合は、はさみを使って程よい長さにカットしてください。
④ 根を広げたハーブ苗を鉢の真ん中に置いたら、鉢のフチ側から2~3cmほど下にウォータースペースを確保して培養土を入れます。
⑤ 根元を優しく押さえ、表面をならします。
⑥ じょうろに水を入れ、鉢の底から水が流れ出てくるまで、たっぷり水を与えます。
植え付け後のポイント
・植え付け後は、1,000倍に薄めた植物用活力液を与えて、ハーブの生長を促すのもおすすめです。
・ハーブ用培養土が手に入らない場合は、野菜用の培養土を使ってください。
・ハーブがすくすくと生長できるよう、株間は20cm~30cmを目安にとるのが理想です。
・やや乾燥した状態で育てると生育が良くなりますので、水を与えすぎないように注意しましょう。
初心者さんにピッタリな育てやすいハーブ 4選
丈夫で育てやすいハーブとはいえ、毎日のお世話を怠ってしまうと、どうしても生長に悪い影響が出てしまいます。
また、ガーデニング初心者さんのなかには、きちんと育てられているのか心配になり、ついお世話をやりすぎてしまう女性も少なくありません。
そこで、ハーブのなかでも、ちょっぴりズボラなお世話をしてもすくすく生長することができるガーデニング初心者さんにピッタリな育てやすいハーブを4種類ご紹介します。
ミント
ミントは、生命力が強く、生長スピードの早い植物です。
ハーブの基本的な育て方をバッチリ押さえておけば、ガーデニング初心者さんも失敗することなく、上手に育てることができます。
けれど、ミントのあまりの生命力の強さに、勢いよく育ちすぎて、根詰まりを起こしやすいハーブでもありますので、ミントの生長に合わせて、鉢のサイズを変えるようにしましょう。
ミントは、風通しが良く、日当たりの良い場所を好みますが、乾燥に弱いため、土の表面が乾いてきたなと感じたら、水を与えるようにしてください。
ただし、水を与えすぎてしまうと、根腐れを起こしてしまうので、水やりをするときは、必ず土を触ってから与えるようにしてください。
ローズマリー
ローズマリーは、病害虫に強く、1年を通して収穫することができる植物です。
ミントと同じく、ガーデニング初心者さんも失敗することなく、立派に生長させることができるハーブです。
ローズマリーは、地中海沿岸地方を原産とするハーブなので、温暖な環境で生育が良ければ、日本でも春から秋にかけて愛らしい小さな青紫色の花を咲かせることができます。
やや乾燥した場所を好むローズマリーは、風通しと日当たりの良い温暖な場所を好みます。
ローズマリーを“キッチンハーブ”として室内で育てたい場合は、これらの条件をすべて満たせる環境に整えておくと、上手に育てることができます。
バジル
キッチンハーブとして注目を集めているバジルも、ガーデニング初心者さんにおすすめの育てやすいハーブです。
日当たりの良い場所と水はけの良い土を好むハーブなので、植え付け後は、たっぷり水をあげてください。
バジルの生長スピードは、とても速く、植え付けから2ヶ月ほどで収穫ができるまで生長します。
けれど、害虫被害に遭いやすいため、こまめに虫がいないかチェックして、早めの防虫対策を心がけましょう。
バジルは、秋を迎えると枯れてしまう一年草のハーブですので、枯れてしまう前に収穫したバジルをソースなどに変身させて、長く楽しめるように保存をきかせておくのがおすすめ。
ラベンダー
爽やかでフローラルな香りを楽しめるラベンダーは、南フランス・プロヴァンス地方を原産とするハーブです。
寒さや乾燥に強い反面、高温多湿の環境には弱い性質を持っています。
そのため、日本では北海道以外の地域では、なかなか上手に生育させることができません。
けれど、農業技術の進歩によって、現在では、耐暑性のある品種や耐暑・耐寒性を兼ね揃えた品種なども誕生しています。
お住まいの環境に合わせてラベンダーの品種を選べば、ガーデニング初心者さんでも失敗することなく立派に育てることができます。
ハーブはドライフラワーにするのがおすすめ
収穫したばかりのフレッシュハーブは、ハーブ独特のみずみずしく力強い新鮮な香りを楽しむことができます。
けれど、フレッシュハーブは、野菜やフルーツと同じく、“生もの”になりますので、長期間の保存には適していません。
収穫したハーブを長く楽しむためには、しっかりと乾燥させてドライハーブにしてしまうのがおすすめです。
ドライハーブにしてしまうと、良い香りが無くなってしまうのではないかと不安になるかもしれません。
ハーブはとても強い香りを持っている植物なので、乾燥させても香りが飛んでしまうことは、ほとんどありません。
けれど、ハーブの収穫時期やドライ方法などによっては、乾燥後、ハーブの香りが消えてしまう場合もあります。
ハーブの香りを残しながらドライフラワーにするコツ
天日干しで乾燥させない
どんなに香りの強いハーブであっても、ハーブの香り成分は「揮発性」ですので、太陽の日差しをたっぷり浴びてしまうと、香り成分が消えて無くなってしまいます。
ドライハーブを手づくりするときは、直射日光の当たらない風通しの良い日陰で乾燥させるようにするのがポイントです。
短時間で乾燥させる
ハーブは「揮発性」のため、ゆっくりと時間をかけてドライフラワーにしてしまうと、完成した頃には、すっかり香り成分が消えてしまっています。
ハーブの香りを残すためにも、短時間で乾かす必要があるのですが、自然乾燥でドライフラワーにす る場合、最短でも1週間ほどかかります。
そのため、少しでも早くハーブを乾かすためにも、湿度の高い時期は避け、1度に乾燥させるハーブの量を少なくする事が大切です。
香りが残りやすいハーブの種類
ミント・ローズマリー・ラベンダー・バジル・カモミール・オレガノ・フェンネル・ セージ・ユーカリなどは香りを長くお楽しみいただけます。キッチンや寝室にドライハーブを飾るメリットとは?
ハーブに含まれる香り成分は、空気と共に鼻から体内へと入り込み、嗅神経などを通って大脳へと伝わり、刺激を受けることで、リラックス効果やリフレッシュ効果がもたらされていることが、近年の研究によって少しずつ明らかにされています。
とくに、収穫直後のフレッシュハーブは、ハーブ本来の香りを強く感じることができるため、リラックス効果の高いラベンダーやカモミールなどを寝室に飾っておくと、睡眠の質を向上させることができます。
けれど、フレッシュハーブの香りには、ハーブ特有の香りだけではなく、植物ならではの生っぽい独特な青臭さも感じるため、苦手な女性も少なくありません。
ところが、乾燥させたドライハーブには、フレッシュハーブのような生っぽい独特な青臭さを一切感じないため、ハーブの香りが苦手な女性も安心して寝室に飾ることができます。
また、ドライハーブの香りは、乾燥させたことでギュッと濃縮され、ハーブ本来の香りを楽しむことができます。
料理やお菓子などの香りを損なわずに、さりげなくキッチンを良い香りで満たすことができます。
キッチンにドライハーブを飾るときは、ミント、ローズマリー、ユーカリ、ラベンダーなど、虫よけ効果の高いハーブを飾ると、ゴキブリやハエ、シミなどの害虫が近寄ってくるのを防ぐことができ、キッチンの衛生環境を守ることができます。
ハーブをインテリアとしてお部屋に飾るアイディア
お家のなかを良い香りで満たしてくれるハーブを、グリーンインテリアとして取り入れたいけれど、なかなか良いアイディアが思い浮かばないとお悩みの女性も多いのではないでしょうか。
そんなときは、ハーブをたっぷり使ったオシャレで可愛らしいボタニカルなインテリア雑貨、スワッグ&リースを取り入れるのがおすすめです。
スワッグ&リースは、とっても作り方が簡単なので、必要な道具や材料が揃っていれば、15分~30分ほどで手づくりすることができます。
スワッグ&リースを手づくりする場合、インテリア雑貨として長く楽しめるように、ドライフラワーを素材として選ぶのが一般的とされています。
けれど、ハーブを素材とするスワッグ&リースを手づくりする場合、フレッシュハーブを素材に使ったほうが、見た目と香りの変化、両方を楽しむことができるため、ドライハーブを素材に使ったときよりも、長くインテリア雑貨として楽しむことができます。
リビングやダイニングには、存在感のあるハーブインテリアをプラス
キッチンや寝室、玄関など、ハーブインテリアを飾るスペースが限られている場合、可愛らしいスワッグやリースなどの壁掛けインテリアをプラスすることで、さりげなくオシャレな雰囲気を演出することができます。
けれど、家族が集まる広いスペースにハーブインテリアを飾る場合、存在感のあるハーブインテリアでなければ、誰の目にも留まらず、ハーブインテリアとしての役割を十分に発揮することができません。
リビングやダイニングなどの広いスペースでは、面積の大きな壁や天井などを活用して、存在感のあるダイナミックなハーブインテリアを飾ると、華やかでオシャレな空間に仕上げることができます。
たとえば、古いテイストの木板を壁に取り付けて、メイソンジャーに入れて育てたハーブを配管バンドでしっかり固定するだけで、オシャレなカフェ風インテリアの完成です。
チョークを使って「Rosemary」や「Mint」などハーブの名前を書き足すと、さらにオシャレ度がアップします。
すでに他のインテリアで壁が埋まってしまっているときは、天井に頑丈なフックを取り付け、横にした梯子をぶら下げます。
梯子にS字フックをかけたら、そこへハーブの入ったカゴをぶら下げると、大人な雰囲気を漂わせるお部屋に早変わりします。
新築や賃貸に住んでおり、どうしても壁や天井に穴を開けることができない女性は、土を使わずに育てることができるミントやローズマリーを小さな小瓶や試験管などに活けて、テーブルや棚の上に飾るのがおすすめです。
余ったドライハーブの活用術
お庭やベランダで育てているハーブの収穫量が予想以上に多く、すべて使い切ることができないときは、ハーブをドライフラワーのようにしっかり乾燥させて、ドライハーブにすることで、半年~1年ほど保存がきくようになります。
ドライハーブは、スワッグ&リースの素材、お料理やお茶だけではなく、 石けん・ソルト・バスボムなどの入浴アイテム、ポプリ・サシェ・ピローなどのアロマ雑貨、ワックスバー・キャンドルなどのオシャレなインテリアなど、アイディア次第で何にでも姿を変えることができます。
ハーブの良い香りに包まれて、ステキな毎日を過ごしてみませんか?
仕事や勉強、家事の合間に、見て、触れて、香りを楽しむことで、ココロとカラダをリラックス&リフレッシュすることができるハーブは、毎日の生活にうるおいと活力を与えてくれるステキな植物です。
土と風の植物園では、無農薬で育てられたハーブを束ねたナチュラルスワッグや、大切な人へのプレゼントにピッタリな華やかでオシャレなグリーンハーブのスワッグなど、香り豊かなハーブをふんだんに使ったボタニカルなインテリア雑貨をご用意しています。
ぜひ、この機会にハーブのある暮らしを楽しんでみませんか。